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ゾイサイト タンザナイト


Zoisite
名称 ゾイサイト タンザナイト
硬度 6〜7
結晶系 斜方晶系
比重 3.1〜3.3
緑 青 紫 ピンク 黄 灰色

宝石のニューフェース

ゾイサイト(ゆう簾石)は宝石としてはかなり特殊なもので、鉱物愛好家の趣味の石として珍重されていた。宝石用といえる種類としてはピンクで不透明なチューライトと、中にルビーの大形の六角形結晶を含む、緑色不透明のルビー・イン・ゾイサイトのみであった。ところが一九六七年の夏、タンザニアのアルシア地区で、マニュエル・ト・スーザーという人により、ブルーゾイサイトといわれる石が発見された。美しく透明で、サファイアのような青紫色をして産出されたこの石は、魅力的にカットされ、その発見地名にちなんでタンザナイトと名づけられ、宝石のニューフエースとして市販された。
ニューヨークの宝石店ティファニーで大々的に売り出されたことと、同店の正面を飾る額縁ウインドーとして用いられたことなどからたちまち世界中の話題をさらってしまった。
日本でも活発に取引されている。

加熱処理で色合いを調整

ゾイサイトのほとんどは産出されたときから美しい青紫色をしているわけではなく、原石は青、緑、黄、ピンク、カーキ色、褐色などさまざまな色味をしている。これを注意深く加熱処理して、好ましい青紫色に調整している。加熱は摂氏三八〇度前後で行われており、これより高い温度では、石が熱割れするおそれがあるといわれている。
カットし細工したこの宝石を、超音波洗浄器で洗った場合、崩壊することがある。取り扱いには十分な注意が必要である。

多色性が顕著で、方向により色味が異なる

硬度は六より高め。エピドートグループ〈緑簾石族)に属し、結晶系は斜方晶系である。
成分はアルミニウムと石灰の珪酸塩。この石の示す青色はバナジウムによる。多色性が頭著で、方向によりサファイアのような青、紫、セージ緑色という三つの色がみられ、これが特徴の一つになっている。また、このことによりサファイアとの識別が容易になっている。

産地は多くはない

ゾイサイトの産地はタンザニアのほかに、オーストリアのチロル地方、北アメリカのノースカロライナ州、西オーストラリアなどで比較的少ない。

チューライトとルピー・イン・ゾイサイト

塊状で産出されるピンク種のチューライトは、やはり産地に由来した名称で、ノルウェーの古代の名のチュールからきている。
きれいなピンクの中に白色部が混ざっていることが多い。この石の産地はノルウェーのほか、北アメリカのノースカロライナ州、西オーストラリア、ローデシアなどがある。
一方、ルビー・イン・ゾイサイトはタンザニアが故郷で、ルビーを含んだままで装飾用の小物などに細工される。ヨーロッパの町には石の細工店が多く見られるのであるが、石や鉱物を扱っている店には、必ずというくらい、この緑色の地に赤い斑点の入ったものが石のままとか、灰皿などに細工されて売られているのを見かける。
ルビー・イン・ゾイサイトは別名をアニョライトという。これはマサイ族のことばで緑を意味する語アニョリに由来している。
緑色はクロムが多量に含まれているために示される。小さな装身具にカットする石としては適さないので、主に彫刻品や灰皿に細工されることが多い。


 
 参考文献
(株)講談社「宝石宝飾事典」
 柏書店松原(株)「宝石・貴金属大事典」
 中央宝石研究所パンフレット
 情報・宝石画像提供 ジュエルクライム

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