> トルコ石 ターコイズ  ジュエリー宝石百科事典

トルコ石(ターコイズ)


Turquoise
名称 トルコ石(ターコイズ)
硬度
結晶系 潜晶質
比重 2.75
空色 緑青

『ロビンエッグプルー』が最高

トルコ石は不透明な宝石であるが、光沢はエナメルのように光っている。多くの場合、乾燥地帯で発見され、被膜状あるいは結核状(団塊状と球状がある)、ぶどう状、脈状といった種々の構造形態で産出される。硬度は六と低く、水分を含んでいる。多孔質(目には見えない大きさの無数の孔が開いている)であるために乾燥しやすく、乾燥すると脱水して退色することもある。成分は鉄を多少含む含水銅とアルミニウム燐酸塩を主とし、非晶質とみなせるほど微細な結晶が集合してできた潜晶質の集合体である。
トルコ石の美しい青色の原因は、明確にはわかっていないが、含まれている銅の作用によるものとされている。そして銅の含有量の微妙な違い、あるいは鉄の作用により、空青色から緑っぽい青までの、さまざまな青色をしている。宝石として最高とされているのは空青色で、アメリカでは「ロビンエッグブルー」と呼ばれ、珍重されている。
カットとしては半球形のカボッションに磨かれるものが多く、指輪、ネックレス、ブレスレットなどのほか、カフリンクやタイホルダーなどに加工されている。この石をデザインするとき、その魅力を生かすのが金で、トルコ石と金の調和した美しさは、エジプトのツエル女王の腕輪(黄金の台に巨大なトルコ石が細工されている)にみられるように、すでに五千年近くも前から知られていた。
トルコ石はデリケートな石で熱や湿度に弱いので、取り扱いは十分ていねいにし、汗や汚れは取り除いておくことが大切である。

護符として身につける習慣があった

宝石としては最古のものの一つで、古代エジプト、インカなどでは赤めのうやラピスラズリなどと組ませて、色どりの美しい装飾品や装身具の数々が作られた。それらは古代遺跡の発掘品の中から発見されている。
トルコ石の語源トルクワーズはフランス語でトルコの石とかトルコの女という意味を持っている。昔も今もトルコ石はトルコで産出されることがないのにこの名がついたのは、諸説ある中で「シナイ半島産のものがトルコを経て、ヨーロッパに運び込まれたところから」という説が有力である。この石がヨーロッパへもたらされたのは十三世紀のことで、隊商たちによる。古代から宝石は装飾としてより魔除けや信仰のために身につけられており、この頃のヨーロッパや中近東でもトルコ石を護符として愛用していた。イラン(ぺルシア)では旅をする男たちは、大きなトルコ石を人差し指や小指にはめて出かける事を習慣とし、女たちは受胎のまじないとして、トルコ石を身につけていたといわれる。
また、シルクロードを行く隊商たちは、ラクダの護符としてこの石を持っていたという記録がある。

不恩醸な体験をした神学者

中世の神学者アンセルムス・ブートがその著書『宝石の歴史』の中で、彼の体験した不思議な話を記している。
ある日、ブートが父にもらったトルコ石を持って、イタリアからポへミアへ帰る途中のこと、乗っていた愛馬が何かにつまずき、はずみでブートは大地にたたきつけられるように放り出された。幸運にも彼は傷ひとつ負わなかったが、持参していたトルコ石が四分の一かけていたという。それから何日か後、彼は重い棒を担う仕事をしていたが、突然、脇腹に激痛を感じ、急いで医者に診察してもらったが、彼の身体に異常はみつからなかった。
ところが例のトルコ石が真ふたつに割れていたという。
この石の象徴は幸運と成功であり、これを持っている人に繁栄をもたらすものと信じられている。しかも自分で買ったものより、人からプレゼントされたもののほうが、より高い幸運をもたらすといわれている。そのためというより多分石が豊富にあったからであろうが、チべットの辺境では貨幣の代わりに用いられていたこともある。

最良のトルコ石はイラン産

イラン北東部のメシェド付近に数多くの鉱山がある。ここで産出するものは、鮮やかで深味のある空青色のものが多い。最も上質とされているトルコ石もイランで産出されている。かなり掘りつくされたようで、現在の産出量は少ない。歴史的には重要であるエジプト・トルコ石を産するのはシナイ半島である。イラン産のものより緑色がかった青色をしている。やはり産出量は少ない。産出量の多いのは北米大陸で、ニューメキシコ州、コロラド州、ネバダ州、アリゾナ州、カリフォルニア州などで産出されている。メキシコのアズテク族が象眼などに使ったトルコ石は主としてニューメキシコ州の鉱山から産出されたものと推定されている。アメリカインディアン(特に勇猛を誇るアパッチ族)が百発百中のおまじないとして、トルコ石を弓や銃に縛りつけたという逸話があるが、これら産地の分布状況からうなずける。アメリカ産のものは一般に淡色で、ネット〈褐色ないしは黒の網目状組織)が比較的多い。欧米ではこのネットのあるドルコ石を好んで使う。この他チべットやソ連のウズべク共和国でも産出されている。


 
 参考文献
(株)講談社「宝石宝飾事典」
 柏書店松原(株)「宝石・貴金属大事典」
 中央宝石研究所パンフレット
 情報・宝石画像提供 ジュエルクライム

工房アンジュのメニュー


商品カテゴリー


コンテンツ


工房アンジュ内を検索