> トパーズ  ジュエリー宝石百科事典

商品名

Topaz
名称 トパーズ 黄玉
硬度
結晶系 斜方結晶
比重 3.53
無色 黄 淡緑色 赤 赤褐色 青 ピンク

シェリー酒のょうな黄色が上等

日本名を黄玉というように、黄色の宝石を代表しているが、実際にはアクアマリン・トパーズなどと呼ばれるアクアマリンに似た青色、淡い緑色、橙色、淡褐色、ピンク、無色に近いものまで、かなり広範囲の色がある。
それほど強い色ではないが、透明または半透明でガラス状光沢をもち、研磨すると強い輝きのある石になる。なかでもシェリー酒に例えられる赤味の入った黄色が上等とされている。
トパーズの語源は、ギリシア語の「捜す」の意味から派生したものといわれ、この動詞ははじめ、紅海に浮ぶ一孤島に付されていたという。この島は常に霧がかかり、船が捜すことになるので「捜す島」の名がつけられ、またこの島から産出した黄色の宝石を島の名からトパーズと呼んだというのである。
またサンスクリット語を語源とする説もある。

硬いが割れやすいトバーズ

トパーズは弗素を含むアルミニウム珪酸塩で、斜方晶系の結晶であるが、産地ごとに多少異なった晶癖を持っている。硬度は8で硬い鉱物であるが、劈開性があり、結晶の上下軸に直角の方向に割れやすい性質を持っている。この方向に軽く打っただけでもひびや内部亀裂を起こすことがある。結晶の形から長楕円形やペアシェープの形にカットされることが多いが、この場合、横にひびが入りやすいので、取り扱いには注意が必要である。
トパーズはブリリアントカットにされることは少なく、普通、ミックスカット、ステップカットに磨かれることが多いが、ある程度、色が濃い石は楕円形のステップカットにされて非常に美しい。

熱処理で変化する色調

天然のピンクのトパーズはごく稀で、多くはブラジル産の黄褐色のトパーズを熱処理したものでこれは非常に美しいピンクになる。
またブラジル産以外の淡い褐色のトパーズは、日光に当てると退色してしまう傾向があるが、コバルト60の照射処理をすることで美しく強い黄褐色のトパーズにすることができる。

日本でも産出したトパーズ

トパーズの産出地としてまずブラジルがあげられる。シェリー酒色の上質のトパーズのほか、ピンク、ブルーに熱処理される黄色のトパーズなども産出する。ビルマのモゴック近辺では美しい黄、青、無色の大粒が多量に産出しているし、他にスリランカ、ソ連、アフリカ大陸、アメリカにも産出地がある。日本では岐阜県苗木、山梨県金峰山などで産し、とくに苗木ではかつて大きな結晶が産出しており、現在ニューヨークのアメリカ自然史博物館にある1463カラットの卵形にカットされたトパーズは、苗木産といわれている。明治初期、日本産の珍しい結晶類が欧米へ持ち出されてしまい、この他、山梨県産の双晶の水晶も外国の博物館に収められている。

まぎらわしいシトリン・トパーズ

トパーズは、宝石店の店頭ではインぺリアル・トパーズ、あるいはプレシャス・トパーズと表示されている。これはトパーズによく似た黄水晶(シトリン)をトパーズとして売っている場合があるので、それと区別するためである。
黄水晶はシトリン・トパーズともいわれており、硬度7、屈折率1.5。宝石の価値はインぺリアル・トパーズよりかなり劣る。色は赤味がなく、シェリー酒の暖かい色調が感じられない。この他に類似天然石としてはトルマリン、ダンブリ石、アクアマリンがある。

美と健康の石と信じられてきた宝石

トパーズはいろいろな古書に出てくる宝石でもある。紀元前一世紀に書かれたテオドル・シルクスの著作には、紅海にサーぺント島というトパーズの産地があり、エジプト王の命令で住民が採掘に従ったと記されている。このエジプトのトパーズは、十字軍時代に勝利品として安値で買いとられ、ヨーロッパに運ばれ、教会や王室の手に渡ったものが多い。
とくにドイツのケルンの寺院には、見事なトパーズが今なお残っている。
新約聖書の「ヨハネ黙示録」の中にも、貴重な十二の宝石の九番めとして記されているが、聖書の中に出てくるトパーズは、実は黄色をしたぺリドットで、古くはぺリドットをトパーズと呼んでいたらしい。
トパーズは古代の人々に崇められ、金で細工して持てば夜の恐怖から逃れられる、また石に孔をあけて糸を通し、左の胸にさげれば悪魔の好計から逃れられると信じられてきた。
十二世紀頃にはトパーズを上等のワインに浸しておき、眠る前にその石で眼をこすると、視力が著しく回復するといわれていた。
東洋では健康の石といわれ、胃や陽を丈夫にし、食欲を増進させるのに効果があるとされていた。
近代ではビクトリア女王が、ルビー、サファイア、オパールなどとともにトパーズを愛用したことが知られている。
現在、日本では十一月の誕生石とされ、友愛と幸福のシンポルとされている。
ヨーロッパには「イギリス人は海水色のアクアマリンを好み、スぺイン人は黄色のトパーズを愛する」という格言がある。


 
 参考文献
(株)講談社「宝石宝飾事典」
 柏書店松原(株)「宝石・貴金属大事典」
 中央宝石研究所パンフレット
 情報・宝石画像提供 ジュエルクライム

工房アンジュのメニュー


商品カテゴリー


コンテンツ


工房アンジュ内を検索