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スピネル

Spinel
名称 スピネル 尖晶石
硬度
結晶系 等軸結晶
比重 3.60
赤 ピンク 橙黄色 紫 青 緑 黒

ルビーに間違えられやすいスピネル

スピネルはラテン語のspina「とげ」に由来するという。ピラミッドを二つ重ねたような双晶形の結晶が、とがったとげに見えたかららしい。「閃光」を意味するギリシア語を語源とする説もある。赤いスピネルはバラスルビーと呼ばれるが、それは最も古いルビーの産地であるインドの地名Balasciaに由来するともいわれている。日本名は尖晶石である。
赤いスピネルはルビーとされてきた場合が多く、ルビーの項にあるように、英王室の王冠にはめ込まれている「黒太子のルビー」も「ティムールルビー」も実はスピネルであったことが判明している。なお多くのスピネルがルビーと混同されているといわれている。
それはスピネルがルビーとともに産出されることにも起因しているし、外観上、非常によく似ているからでもある。

コランダムに似たスピネルの成分

スピネルは、コランダムの主成分である酸化アルミニウムに酸化マグネシウムが加わって結晶した複合化合物MgO・Al2O3である。複合酸化物という形としては、クリソべリル(アレキサンドライト、キャッツアイ)BeO・Al2O3に似ている。硬度は八、結晶はダイヤモンドと同じ等軸晶系で、正八面体である。また双晶のこともある。
スピネルの色は様々で、ルビーの赤、血赤色、淡紅色、青色の濃淡、紫青色の濃淡、黄色、無色、ときには黒色もある。無色は通常ピンクがかっている。赤とピンクのスピネルの色は、ルビーと同じ酸化クロム、青色は鉄分の含有による。どちらもルビー、サファイアに酷似の色をしているのが特徴でコランダムと間違えられやすい。スピネルの光沢はガラス状光沢で、研磨すると輝きが出る。スター効果を示すスピネルも見つかっており、スター・スピネルと呼ばれるが、色は灰青色から黒色で、十字スターとなる。

スピネルの主産地はピルマ

スピネルは普通、コランダムと一緒に産出することが多い。ルビー、サファイアの産出地としても有名な、ビルマのモゴック地方が主要産地で、ここでは各種の色のスピネルが産出する。鉱床から正八面体の結晶体で発見されることが多いが、河川床から砂礫状で産出することもある。完全な結晶体でしかも結晶面がきれいな光沢面で産出したものは、「エンゼルカット」として珍重された。この他アフガニスタン、タイ、オーストラリア、スウェーデン、ブラジル、アメリカで産出する。

宝石の定義

宝石とはいったいどんな基準で、数千年の歴史をかけて選んできたものなのか、また何故、人々は宝石に限りない憧れをいだき、求め続けてきたのか、その宝石として選ばれた条件を、宝石学者は大体次のように示している。
第一に美しいこと。万人に認められた美しさ、そしてそれは自然などのうつろいやすい美しさとは違って、永遠の美しさを保ち、しかも身近に手に持って見ることのできるものであること。
第二に硬さと耐久性。キズがつかない硬さ(一般にモース硬度七を基準とし、これ以上の硬さであれば、この条件を満たすとされている)と長期の保存に耐えられるだけの耐久性〈退色、変質、酸などによる腐蝕を起こさない堅牢性)を持ち合わせていることで、その美しさが半永久的に失われないこと。そのために親から子へ、そして孫へと受け継がれて財産となるわけで、その意味で硬度一〇のダイヤモンドは完壁に条件を満たしているといえる。
第三に希少性。宝石は天然のもので産出量に限りがあることが、宝石の価値を支えている。これは単なる量的な希少性だけでなく、ダイヤモンドなどのようにある程度の量があっても、その需要度が高いために起こる希少性をもいう。
第四は携行性。身につけて簡単に運べる価値の高い財産であること。宝石は圧縮された美しさと共に、圧縮された価値を持っているといわれている。
さらに宝石自体の価値に歴史的な価値を加え得るのも宝石の特徴で、宝石にまつわる波乱のある歴史が、いっそう有名にし、価値を増すことになる。
最近ではファッションとかかわりあって、流行的価値を加えているのも見逃せないことである。
これらの特性、条件をすべて満たしているのは、やはりダイヤモンドである。しかし硬度においてはぐっと低く希少性も決して高くない真珠が、五大宝石といわれて珍重されている点も忘れてはならないだろう。


 
 参考文献
(株)講談社「宝石宝飾事典」
 柏書店松原(株)「宝石・貴金属大事典」
 中央宝石研究所パンフレット
 情報・宝石画像提供 ジュエルクライム

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