> ルビー  ジュエリー宝石百科事典

商品名


Corundum Ruby
名称 ルビー 紅玉
硬度
結晶系 六方結晶
比重 3.99
赤 暗赤色

伝説の多いルビー

炎の宝石ともいわれるルビーの身上は、あの鮮烈な赤さ。ルビーの語源はラテン語で単に「赤」を意味する。
古代のインド人はこのルビーの色を、石の内部で燃える不滅の炎によるものと考え、この石を水の中へ入れると内部の熱で水は沸騰すると信じていた。
また、旧約聖書には、神が天地万物を創造したときにつくった十二の宝石のうち、ルビーに高い位を与えたと記されており、ルビーを持てば病気から身を守り、戦いで倒れることのない力が与えられると信じられてきた。
十三世紀のセイロン王は、握りこぶし大のルビーを肌身離さず持ち、そのルビーで顔や首をこすっていたといわれ、そのためか九十歳で天寿をまっとうしたとき、その顔はばら色に輝いていたと伝えられている。

『黒太予のルビー』と『ティムールルビー』

東洋産のルビーは、ヨーロッパに渡来してその鳩の血の色の鮮やかさに不老長寿、護身の効があると信じられてきたが、「ルビーは単に赤い色の石をさしていたため、歴史上ルビーとされてきた石が、ガーネットやスピネル、トルマリンだったという例が多い。
なかでも「黒太子のルビー」と呼ばれる三一七カラットのルビーは、十四世紀半ば、スぺィン王ぺドロが英国の黒太子(エドワード皇太子)に戦いの勝利の謝礼として贈ったもので、以後へンリー五世がアザンクールの戦いに王冠の中央につけて出陣し、危いところをルビーの一瞬の輝きで助けられ勝利をおさめたと伝えられ、以来、英国王の王冠にこのルビーはセットされ、幾度もの戦争をくぐり抜けてきた。現在もロンドン塔に収められている王冠に輝いているが、この「黒太子のルビー」はスピネルであった。
また一三九八年タタールの征服者ティムールがデリー占領の際に入手した三五三・五〇カラットの「ティムールルビー」は、所有者を示す六名の銘が刻み込まれた、世界最大のルビーとして有名になった。判読できた銘によると、一六二八〜五八年の間はシャー・ジャハーンの所有となり、一七三九年にはナーディル・シャーがインドへ侵入して入手したことを物語っていた。その後一八四九年、東インド会社が英国へ持ち帰り英王室へ収めたが、「黒太子のルビー」同様、これもスピネルであった。

ルビーとサファイアは同じコランダム

赤い貴石ルビーと青色のサファイアは同じ酸化アルミニウムの結晶のコランダム〈鋼玉石)である。その硬度は九。ダイヤモンドに次ぐ硬さである。ルビーの赤は、不純物として鉱物の中に含まれている、数パーセントの酸化クロムによるもの。酸化クロムは地層深くに存在するが、稀に地表近くに上がってきて酸化アルミニウムと結合して、赤いコランダムを生成する。そのため、サファイアより希少性が高い。ルビーの結晶は斜方六面体であるが、同様のサファイアとは多少異なった形態をとる。

最高のルビーはピジョンプラッド

ルビーの赤には紫色を帯びた淡い赤からガーネットのような暗赤色まで、様々な色調があるが、最も美しいルビーは透明度の高い鮮明な真紅色である。それをピジョンブラッド(鳩の血)と呼び、最高の価格がつけられている。ルビーは産出量が少ないうえ、大粒の結晶はきわめて少なく、五カラット以上のものはまず産出されない。一カラットを超えるルビーは、ダイヤモンドやエメラルドよりも得がたく、価格もこれらをしのぐ。

六本の光条が走るスター・ルビー

コランダムはインクルージョンを多く持ち、いわゆるキズのない石は少ない。コランダムのインクルージョンの特徴的なものにルチルの針状結晶があり、これが密で絹糸状を示す場合、これをシルク・インクルージョンと呼ぶが、これが顕著に発達した石を光軸に合わせてカボッションに磨くと、石の頂点で交差する六本の線が浮かび上がってくる。これがスターで、ルビーにもサファイアにも現れる。
スター・ルビーはピジョンブラッドのような色はなく、透明度は低い。ビルマ、セイロン産が多く、インド産のインドスターはやや暗い赤である。

『ルビーの中のルピー』はビルマ産

ルビーの主産地はビルマとスリランカであるが、ビルマの北部、モゴック周辺が古くから有名である。古いビルマの伝説によると、ルビーが産出する谷に肉片を投げ込み、その肉片を禿鷹に取らせて、肉に付着したルビーを集めたという。この地区の捨て石の中からは石器、青銅器時代の道具が発見されており、当時からルビーの採掘が行われていたと考えられる。ピジョンブラッドといわれるルビーの最高はこのモゴック地区から採れている。
一般にビルマ産は深みのある真紅色のルビー。スリランカ産は島南部のラトナプーラ(宝石の街の意〉附近で、現在でもきわめて原始的な方法で掘り出されている。ビルマ産よりも明るく透明度があるが、セイロン・ルビーと呼ばれる真紅色もある。またスター・ルビーも産出している。
このほかインドのマイソール地方、アフガニスタン、チべット、ボルネオ、タイ、オーストラリア、ブラジルなどでも産出する。
 
 参考文献
(株)講談社「宝石宝飾事典」
 柏書店松原(株)「宝石・貴金属大事典」
 中央宝石研究所パンフレット
 情報・宝石画像提供 ジュエルクライム

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