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オパール


Opal
名称 オパール
硬度 5.5〜6.5
結晶系 非晶質
比重 2.10
白 黒 赤

変幻自在に変化する宝石

日本では蛋白石と名づけられている。二酸化珪素〈シリカ〉の宝石で。結晶を持たず、約六〜一二パーセントの水分を含んでいる。硬度は五・五〜六・五と低く、大変もろいので、職人泣かせの石でもある。ヨーロッパではこの石を「不幸の石」として敬遠した時代もあったが、一説にはこの破損しやすい石を嫌って、職人たちが流したデマに端を発したといわれる。破損しやすいだけに、変幻自在な美しさが目立つ石でもある。一般的にはカボッションに研磨されることが多く、指輪のものは特に山高にカットされる。

他の宝石にはない独特の特徴を持つ石

英国の美学者ジョン・ラスキンは、オパールの微妙な美しさと競えるのは、空の美しさだけだといっているが、たしかに十月の夕焼け空にはオパールを連想させるものがある。
オパールの特徴として、石を手に持って回転させると虹の七色が次々に浮び出るが、この現象をプレー・オブ・カラー(遊色効果)と呼び、他の宝石にはみられないオパール独特のものである。

光の特殊効果⑤=プレー・オプ・カラー

オパールは珪酸の球状粒子が集合して構成されている。球状粒子は大きいもの、やや大きいもの、小さいものという粒子からなり、かなり規則正しく配列している。それぞれの球はサイズにより、回折可能な光の波長が決められている。したがって、大きい粒子は赤色の光を、やや大きい粒子は緑、青、紫の光を、小さい粒子は青い光を回折する。また、それぞれの粒子の間には空孔があり、ここで散乱された光が互いに干渉しあって、光のスぺクトルを示している。さらに、全体に同じ配列の層ではなく、異なった配列の層が入り混じって積み重なるため、構造が不整となり、これによって光の回折が異なる。石を傾けるときらめきが変化するのはこのためである。
この説は最も新しいもので、オーストラリアのサンダース博士らの研究により解明されオパールは四穏類に分類される。
俗にオーストラリア・オパールといわれるものにホワイトオパールとブラックオパールがある。これは共に不透明もしくは半透明のもの。反対に透明なオパールとしてウォーターオパールとファイアオパールがあるが、しばしばメキシコ・オパールと呼ばれている。
それぞれに美しく、異なる特徴を持っている。

ホワイトオパール=白色または乳白色の地色に美しいプレー・オブ・カラーを持っている。
ブラックオパール=黒色、濃青色、緑色あるいは灰色の地色に、鮮やかな閃光が湧き出てくるようにみえる。欧米人は赤や糧赤色系の、日本人は青、緑色系のプレー・オブ・カラーのものを好む。
ウォーターオパール=透明な無色の石に生き生きとした鮮やかなプレー・オブ・カラーを有するもの。
ファイアオパール=橙赤色から赤色の地色で透明から亜透明であり、炎が燃えているような美しさをもつ。中にはプレー・オブ・カラーを示さないものもある。
ブラックオパールは断層として採れる。オパール部分の地肌は薄く、破損しやすいのでへばりついている母岩〈砂岩であったり、ポッチという鉱物であったりする〉を裏打ちとなるようにカットされることがある。この種の石のことをオパールマトリックスという。
オバールは鉄鉱石の中でできていることもあり、これからカットされたオパールマトリックスはチョコレートブラウン色をしている。

幸運な石、不幸を招く石、再び幸運な石

オパールはラテン語のオパラスから転じたもので、これはサンスクリット語という意味からきている。
ローマ時代から十七世紀までは高く評価され、希望、忠誠、幸運の象徴であり、ロマンスと永続する愛をもたらすものと信じられ、大いに珍重された。ところが十八世紀から十九世紀にかけては、不運をもたらす石であるという信仰のためにうとんじられた。他説には英国の作家スコットの小説『ガイエルスタインのアン』に由来するというのもあるが。
二十世紀に入って間もなく、オーストラリアのライトニングリッジに、次いでクィーンスランドに鉱脈が発見されると、英国のビクトリア女王はオパールの採掘を奨励するために進んで身につけ、側近たちにもつけさせるなどして、再び脚光をあびるようになった。日本女性はこの石を特に好むようである。

オーストラリア、メキシコが産地

オーストラリアではニューサウスウェールズ州、サウスオーストラリア州、クィーンスランド州で産出され、今世紀に発見されたライトニングリッジは、ニューサウスウェールズ州の北部に位置する。この鉱区からのオパールは鉄分が多く、暗色気味であり、ブラックオパールはここの特産である。
メキシコではハリスコ州マグダレーナ地区に著名な鉱山が多く、質のよいオパールが産出されている。かつてはケレタロが古くからの鉱山として有名であったが、ここから産出される石は乾燥状態が不十分で、すぐ割れるなどの欠点があるため、廃坑状態となっているようだ。
 
 参考文献
(株)講談社「宝石宝飾事典」
 柏書店松原(株)「宝石・貴金属大事典」
 中央宝石研究所パンフレット
 情報・宝石画像提供 ジュエルクライム

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