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象牙(アイボリー)



ほとんどはアフリカ象の牙

象牙のほとんどは、サハラ砂漠以南のアフリカに生息するアフリカ象のものである。アフリカ象は肩高三・五メートル、体重五〜六トン。牙は最大三メートル、暖かみのある白色で透明感があり、木目が見られる。現在はワシントン条約で捕獲制限されている。
アジアに生息するインド象は、アフリカ象よりやや小さく、その牙は二・四メートル位。
鈍い白色で木目があらく、透明感が少ない。
現在は捕獲禁止となっている。
シべリア、アラスカ、北アメリカのマンモスの化石の象牙が使われることがあるが、乾燥しすぎており、割れやすい。一角、セイウチの角や牙を使うこともある。

象牙細工は古代エジプトから

ヨーロッパ旧石器時代にマンモスの牙に彫刻を施したものが発見されているが、古代エジプトでは、小箱、剣の柄、家具装飾にすでに使われている。古代ギリシア、ローマは浮き彫りの優美な古典様式が、そして時代を追ってその時代の様式を如実に示す象牙細工が見られる。十三世紀、元代では宮廷に象牙細工人の工房が作られていたし、明代には、一本の象牙に宮廷生活を彫り込んだ置物が登場する。これは次第に精巧になり、二〜三階建て、二重、三重の遠近構造を彫り込んだ置物も作られた。
日本では奈良時代に象牙技術が渡来し、正倉院に原材料も残っている。易、櫛、筆管に用いられたが、紅牙撥鏤、緑牙撥鏤など、紅や緑に染めた珍しい細密彫刻もある。安土、桃山、江戸時代には、南方、中国との交流の影響で象牙細工も盛んになり、日本独特の「根つけ」を生み出した。精巧な根付けは輸出されていたほどだ。

象牙の質

象牙は象の上顎の門歯で終生成長する。はえはじめの先端だけがエナメル質で覆われている。先端部をポイント、中間部をセンター、根部をホローと呼び、ポイントが最も堅い。白色のきれいなものが良品とされる。象牙本来の色は年代とともに変化し黄ばむが、物によってはこの黄ばみに価値が出る。
べっ甲と同様にキズがつきやすいので、保管する際は柔らかい布で包んでおく。汚れはから拭きするか、湿らせた布で拭けばかなり落ちる。




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 参考文献
 (株)講談社「宝石宝飾事典」
 柏書店松原(株)「宝石・貴金属大事典」
 中央宝石研究所パンフレット
 情報・宝石画像提供 ジュエルクライム