> ガーネット  ジュエリー宝石百科事典

ガーネット


Garnet
名称 ガーネット 柘榴石
硬度 7.5
結晶系 等軸結晶
比重 3.65〜4.20
濃赤 黄色 黒 茶色 緑色

ガーネットは七種の石のグループ名

ガーネットの語源はラテン語の「柘榴の実」である。実際に花崗岩や片麻岩の割れ目に、熟した柘榴の実のように結晶していることからこの名がついた。日本名も柘榴石である。
ガーネットというとワインレッドの石を思い浮かべるが、成分は複雑な珪酸化合物で、その結びつきの違いによって赤、ピンク、オレンジ色、緑、褐色、黒、鉄さび色など様々な色になる。「ガーネット」は単一の石を指すのではなく、共通の晶相と類似した化学組成を持つ七種の鉱物グループにつけられた名称である。
ガーネットの硬度は六・五〜七・五。原石の結晶は等軸晶系に属し、多くは斜方十二面体で、完全なものは磨くのが惜しいほど見事な結晶形をしている。

赤い色は魔除けに

ガーネットとして古くから親しまれてきたのはアルマンダイトとパイロープの二つ。深いワインレッドの輝きを持つガーネットは、昔から疫病に強い効力があると信じられ、古代エジプトではこれを首から吊して護符にしていた。ギリシア人もルビー、ガーネットなど赤い石を高価なものとして珍重した。また中世のヨーロッパでは赤い石はほとんどガーネットの名で呼んでおり、疫病除けの他に、これを持つと友情に恵まれ、権力の座につくことができるとされ、王冠やぺンダントにつけられて支配者を飾ってきた。ビクトリア女王時代は、王冠をはじめ、権力を象徴する宝飾品にパイロープをはめ込んでいた。このパイロープはボへミアで古くから採れ、十九世紀までは、唯一の産地であった。パイロープの語源はギリシア語である。また、アルマンダイトをカボッションカットにした小粒石をカーバンクルといい、これも古くから魔除けの石として珍重された。特に十字軍の兵士たちが負傷から身を守るために身につけていた。

アルマンダイト・ガーネット〈貴柘榴石)

鉄分が多く、暗赤色または濃赤色で、特に濃いものは黒に近い。やや紫色を帯びたものはロードライト、パイロープと同じ色になる。
四本のスター効果を示すのもある。色が濃いために、底部をくり抜いて厚みを薄くし、色を淡く見せる、ホローカボッションにカットしたものが多い。
産地は全世界に及ぶが、宝石用はブラジル、ローデシア、タンザニア、スリランカ、アメリカなどで産出したものである。スター・ガーネットは大半がインド産である。

ロードライト・ガーネット

成分としてはアルマンダイトとパイロープの中間である。色は血赤色、帯褐赤色、紫赤色で、通常、アルマンダイトより明るい。マンガン珪酸塩鉱物のロードナイト(ばら輝石)に似て間違えられやすい。
かつてはアメリカでのみ産出していたが、その後、スリランカ、ローデシア、タンザニアでも発見され、アルマンダイトの産地とほぼ一致する。

バイロープ・ガーネット(紅柘榴石)

ルビーやレッドスピネルと同じ酸化クロムによる血赤色。ルビー色の石はケープ・ルビー(南ア産)、アリゾナ・ルビー(アメリカ産)などと呼ばれており、長い間ルビーと混同されてきた。通常、多量に含まれる鉄分の影響でやや暗い色になり、ロードライトと似た赤色のため間違えられやすい。
最も有名な産地はチェコスロバキアのボへミア地方。その他、南アフリカ、アメリカのアリゾナ、オーストラリア、タンザニアなどでも産出する。

スぺッサータイト・ガーネット

マンガンを含んでおり、色は橙赤色から帯紫赤色、帯褐赤色まである。多くはグロッシュラーライトのへソナイトと外観が似ていて間違いやすい。産地はアメリカ、スリランカ、ビルマなどである。

グロッシュラーライト・ガーネット(緑柘榴石)

ガーネットの中でも最も種類が豊富で、石灰を含む。中でも透明なへソナイトは帯褐黄色から帯褐澄色、帯褐赤色で、特に赤味の強い石はシナモンストーンと呼ばれている。産地はスリランカ、ソ連、ブラジル、アメリカなど。塊状で産出する半透明の緑色の石は、ひすいに似ているため、トランスバール・ジェードとも呼ばれている。特に名はないが、半透明のピンクの石もある。緑色はクロム、ピンクはマンガンによる着色である。産地は南アフリカ、カナダ、アメリカなどである。

アンドラダイト・ガーネット

宝石用として使われるアンドラダイトには不透明黒色のメラナイトと透明緑色のデマントイドがある。デマントイドは微量のクロムによって美しい緑色に輝き、産地名をとってウラルエメラルドとも呼ばれ、ダイヤモンドに次ぐファイアを持つ。しかし二〜三カラット以上の石はめったになく、ガーネットの中で最も希少性が高い。メラナイトはその色から葬祭用の宝飾品として使われる。産地はイタリア、フランス。この他に宝石としては使わない黄色のトパーゾライトがある。
ウバローバイト・ガーネット

クロムによる鮮やかな緑色に輝く石だが、結晶が小さく宝石には使われない。

 
 参考文献
(株)講談社「宝石宝飾事典」
 柏書店松原(株)「宝石・貴金属大事典」
 中央宝石研究所パンフレット
 情報・宝石画像提供 ジュエルクライム

工房アンジュのメニュー


商品カテゴリー


コンテンツ


工房アンジュ内を検索