> ムーンストーン アマゾナイト ラブラドーライト  ジュエリー宝石百科事典

長石類(ムーンストーン アマゾナイト ラブラドーライト)


Feldsper
名称 ムーンストーン 月長石
硬度
結晶系 単斜晶系
比重 2.55
乳白色
Feldsper
名称 アマゾナイト 天河石
硬度 6.5
結晶系 単斜晶系
比重 2.57
青 緑青
Feldsper
名称 ラブラドーライト
硬度 6〜6.5
結晶系 単斜晶系
比重 2.68
灰色

長石

長石はほとんどすべての火成岩中に含まれており、造岩鉱物として石英と共に重要な役割を果たしている。成分はカリウム、ナトリウム、カルシウムまたはバリウムのアルミニウム珪酸塩で、マグネシウムと鉄はほとんど含まれていないとされている。形態や晶相、産状などが密接に関連しているが、長石グループとして、四つに分類され宝石用としては次の三つがある。
正長石〈オーソクレース)と微斜長石(マイクロクライン)=主成分はカリウムとアルミニウム珪酸塩で、カリ長石とも。前者にはムーンストーンが、後者にはアマゾナイトの宝石がある。
曹長石〈アルバイト)=主成分はナトリウムとアルミニウム珪酸塩で、ソーダ長石とも。
灰長石(アノーサイト)=主成分はカルシウムとアルミニウム珪酸塩で、カルシウム長石ともいわれる。
以上のうち曹長石と灰長石は類質同像の置換〈化学組成のよく似た鉱物が、類似あるいは同一の結晶形を示すことがあり、結晶構造をくずすことなく、入れ換わる現象)により、灰曹長石、中性長石、曹灰長石、亜灰長石という斜長石のシリーズを生ずる。宝石用としてはサンストーンが灰曹長石。

ムーンストーン

日本では月長石、または月石と呼ばれ、真珠と共に六月の誕生石とされている。月の光に似たほの白い輝きが、夏のアクセサリーとして涼を呼び、風情がある。ローマ時代の自然科学者プリニウスの言葉によれば「月形に丸い光を放つ石」という表現になるように、ムーンストーンはシイラーを特徴としている。特有の乳白色の中に青味を帯びた乳光が輝くため、青い月の光を連想させるところから、この名称がついている。

光の特殊効果③=シイラー(シーン効果)

これは正長石と曹長石の薄い層が、交互に積み重なって、密な層状組織を形成しているために生ずる光の干渉と、内部反射作用によるものと考えられている。層状組織の厚さに影響され、薄いものであれば青色のシイラーが生ずるが、層が厚いと輝きは白色になり、石としての魅力は少なくなる。中には包有物による光の反射が原因となって、シイラーの現れるものもある。
スリランカ産のムーンストーンで、青味を帯びたシイラーの特徴を示すものの中に、包有物もまた特徴のあるものがある。これは独特の直線的な薄い板状のクラック(割れ目〉が結晶の上下軸に平行に位置し、これから多数の枝状の短いクラックが出て、その先端は斜めに曲がっているというもの。見ようによつてはグロテスクなムカデ類の虫が内包されているように見える。

正長石はモース硬度六の標準石

ムーンストーンの硬度は六で、モースの硬度は正長石を硬度六の標準石としている。正長石の光沢は一般的にはガラス状光沢を示すのであるが、劈開面では真珠状光沢を示すこともある。ムーンストーンの美しさはシイラーの美しさによるので、カボッションにカットする場合は、カット石の底面が層面に平行になるように研磨される。これにより最良のシイラーが得られるのである。

最も美しいスリランカ産

スリランカの南部地区や中部地区から産出されるものは青色、または白色の閃光を持つものが多く、最良のものとされている。
インドのマドラス地区でも産出するが、ここの石はスリランカ産のものよりやや劣り、層状組織の発達が少ないため、シイラーの現れかたが少ない。特徴としては地色が種々あることで、橙色を帯びたピンクの地色をしたピンクムーンストーンや淡緑色をしたグリーンムーンストーンはここから産出される。
その他の産地としてはマダガスカル、ビルマ、タンザニアがあり、北アメリカではコロラド州、インディアナ州、ニューメキシコ州、ニューヨーク州、ノースカロライナ州、べンシルバニア州、バージニア州、ウィスコンシン州など広範囲で産出される。

アマゾナイト

日本名は天河石という。微斜長石の唯一の宝石で、緑青色から空青色までの色をしている。緑の強く出ているものはひすいに、鮮やかな空青色のものはトルコ石に似ているともいわれるが、組織がまだらにできていることと、研磨すると勢開の初期が発生し、その割れ目から光が反射して、石の表面がちらちら光るようになるので、他のものと区別しやすい。
硬度は正長石よりやや硬く、六・五に近い。
宝石用にはカボッション形にカットしたり、ビーズに磨いてネックレスに組むことが多いが、劈開しやすいので、取り扱いには十分な注意が必要である。
スペイン人により南米のアマゾン川で発見されたところから、アマゾナイトと名づけられたのであるが、ブラジルでは産出するものの、アマゾン川流域では実際のところ産出されてはいない。重要な産地としてはインドのカシミール地方があり、このほかにソ連のウラル山脈中、マダガスカル、北アメリカのコロラド州などが主な産地。

ラプラドーライト

熱帯の蝶の羽を思わせるような虹色の閃光を持っている石で、カナダのラブラドール半島で産出したところから、産地の名称がつけられている。他の石にはない独特な光の効果を持っている。
光の特殊効暴③=ラプラドール・エッセンス青、緑、黄、ゴールド、赤、紫などによる閃光を持ち、虹色効果を示すもので、ラブラドーライトだけに現れる効果である。この石は薄い層をなす結晶の小板が集まった集合形であるため、主にこの小板からの光の干渉により生じる。また、小板は磁鉄鉱を包有しており、これによる光の干渉も関係している。
主産地はカナダのラブラドールの海岸及びその沖合いのニューファウンドランド州である。ほかにソ連のウクライナ地方とウラル山脈中、マダガスカル、フィンランド、北アメリカのアーカンソー州、ニューメキシコ州、バーモント州などで産出する。
 
 参考文献
(株)講談社「宝石宝飾事典」
 柏書店松原(株)「宝石・貴金属大事典」
 中央宝石研究所パンフレット
 情報・宝石画像提供 ジュエルクライム

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