めのう(瑪瑙)

Agate
名称 めのう(瑪瑙) アゲート カルセドニー
硬度
結晶系 潜晶質
比重 2.62
白 灰色 薄青色 褐色 褐赤色

カルセドニーとアゲートに大別する

水晶類と同じ石英鉱物であるが、結晶の仕方が異なり、潜晶質(目に見えない微細な結晶が集まって成り立っている)である。二次的鉱物で、二酸化珪素の水溶液が、空洞や岩の割れ目に沈澱してつくられている。ほとんどが半透明状であり、塊状で産出される。硬度は7よりやや低い。
一般に「めのう」と呼ばれているが、石の色が比較的均一になっているものはカルセドニー〈玉髄といわれ、カーネリアンやサード、クリソプレーズ、ブルーカルセドニーなどが該当する)、縞模様のあるものをアゲート(直線縞のものはオニックスという)というように大きく二つに分類されている。
カルセドニーもアゲートも内部に微細な孔をたくさん持っているため、天然の場合と同じ着色成分を使って、人工的に着色することが容易である。このため多彩な色や模様があり、厳密に分類したら数百種に及ぶというくらいである。

カルセドニー類

ブルーカルセドニーやクリソプレーズのように天然で色を持っているものもあるが、ほとんどは淡灰色から淡褐色をしている。均一の色をしているもの、または雲状の斑点で縞が隠されてしまっているもので、人工着色によりいろいろな色に着色されることが多い。
しかし天然のものと成分は同じ無機顔料なので、完ぺきな処理がなされていれば、変色することは永久的になく、天然石と同じ価値のものとして扱われる。

プルーカルセドニー

美しい淡青色または青色をした亜透明なカルセドニーで、天然のまま宝石用として使われる。南西アフリカおよびイギリスのイングランド州コーンウォルで産出するが産出量は少なく、人工着色されたものもある。

カーネリアン

紅玉髄といわれ、深味のある赤色をしている。色の原因は赤鉄鉱による。地表や砂礫層中に円礫として発見されることが多い。かつてはアラブやエジプトの砂漠地帯で産出したこともあり、古代エジプト人はカーネリアンでカメオを彫刻している。
無色のカルセドニーを適度な温度で加熱すると、容易に赤色に変化する。このため人工着色されたものがかなり出まわっている。

カーネリアンの印章

ナポレオン一世と三世が大切にしたといわれるカーネリアンの印章は、歴史上に名をとどめる石英類の宝石としては最高といえる。
八角形の印面には「神にすがるアブラハム」という銘が刻まれている。ナポレオン一世は遠征中にも大切に持ち歩いていたが、その後姪のオルタンスに与え、彼女もこれを肌身離さず持っていた。そしてオルタンスの三番目の子供であるナポレオン三世に受け継がれている。ナポレオン三世もこれを大事にしていたが、実物は残されていない。

日本でもごく小さいものは産出される

主な産地はブラジル、インドで、それに次いで中国、コロンビア、ドイツ南部、スコットランド、アメリカのカリフォルニア州がある。日本でもごく小さいものは、北海道や日本海沿岸地方で産出される。

サード

カーネリアンの赤色が赤鉄鉱によるのに対して、サードのほうには褐鉄鉱が含まれており、このために黄および褐色がかった赤色をしている。

クリソプレーズ

緑玉髄といわれ、カルセドニーの中では珍重されている。美しいアップルグリーン(青リンゴの色〉から暗色の黄緑色まである。この天然の色合いは、酸化ニッケルによる。アップルグリーンのクリソプレーズは、とりわけ珍重されている。
ギリシア、ローマ時代には、インタリオやカメオとして用いられたといわれる。また、ビクトリア時代には装飾用に広く用いられ、端にファセット面をつけた低カボッションの形でカットされたりしていたらしい。現在ではカボッションやビーズにカットされるものが多い。天然のこの石はかなり希少性高く、ニッケル塩やクロム塩をつかって、緑色に染色し、クリソプレーズとしているものが多い。
人工着色されたものを見わけるには、チェルシーカラーフィルターが使われている。古い産地としてはシレジアがあるが、現在では鉱床はない。カリフォルニア州で発見されたものは、蛇紋岩中に分布していたもので、不透明な緑色のものや亜透明なエメラルドグリーンのものまであり、かなり良質のものを産出していた。1911年以後、他の石の需要が高くなり、採算の合うそれらを採掘するために、閉山されている。主な産地としてはブラジル、オーストラリアのクイーンスランド州がある。

アゲート類

古代にこの石が発見されたのが、イタリアのシシリー島にある小さな川Achates(現在では別名になっている)であったことに由来し、それが変化してアゲートagate。になっている。
縞状構造を示すのは、蛋白石、石英が空洞の不規則な形と平行して発達するためで、主に火山岩の空洞内に産出する。

サードオニックス

赤と白の縞目模様を持つものをサードオニックスsardonyxと呼んでいる。数多いめのう類の中で、古くから宝石としてとりあげられ八月の誕生石になっている。白い部分はオパールと同じ蛋白質である。オニックスというのはギリシア語で「指のつめ」を意味する語で(指のつめは半月形の白とピンクをしているのでその感じから)それに由来して、直線的な縞目のものにつけられている。
古代ローマ時代にはサードオニックスの美しい縞目層を利用して、カメオに細工し、愛用されていた。新約聖書の「ョハネ黙示録」の中では、聖ョハネが見た神の国の城壁を飾る十二の貴重な宝石の中で、五番目にサードオニックスがあげられている。「夫婦の幸福」を招く石として、古くから親しまれている。
産出したばかりのサードオニックスは、赤い層の部分がほとんど褐色に近い色をしている。これを加熱処理すると、酸化鉄の赤味が濃くなり、縞模様の美しさが鮮明になる。

プラックオニックス

黒と白の縞目のあるもの、あるいは黒一色のものも含めてブラックオニックスblackonyxという。天然のものも産出されるが、ほとんどはカルセドニーを着色したものである。プリニウス〈ローマ時代の自然学の研究家)の博物誌によれば(あらゆる種類の危険を避け、世界中に恐れるものがなくなり、勇気が湧いてくることを望む人は、白い筋のある黒いめのうを選ぶがよい。)というくだりがあるが、まさにブラックオニックスを指しているものと思われる。
宝石用としては丸く磨いてネックレスのビーズにしたり、円盤形に切ってカフスボタンの台座にしたりする。黒の宝石は少ないので男性用や葬祭用の装飾品として用いられることも多い。飾りボタンにはめ込む石としてはこのブラックオニックスか、白蝶貝、黒蝶貝を磨いたものが用いられている。

モスアゲート

めのうの中には内包物によって、美しい模様をつくり出しているものもある。半透明状の原石の中に内包されているのはほとんどが樹枝状の形をした別種の鉱物で、それが二酸化マンガンの場合は黒になり、緑泥石の場合は緑、鉄鉱石では赤色を示す。
モスアゲートmoss agateは苔めのうと呼ばれるもので、緑泥石が苔状もしくは草木状模様をして内包されているところから、この呼び名がつけられている。ヨーロッパでは黒や赤の樹枝状内包物を持つものに対しては、モカストーンmocha stoneと区別して呼んでいるが、イギリスやアメリカでは、モスアゲートとモカストーンは同義語として使っている。
樹枝入りのめのうには風景画のように見えるものもあり、これらは風景めのうlandscape agateあるいは景色アゲートscenic agateと呼ばれている。
モスアゲートの産地としては、インドのデカン高原が最も有名である。スコットランドでも産出され、時としては緑と赤の苔状のものが、一緒になっているものもある。これはスコッチ・ぺブルスと呼ばれている。この他にはアメリカのモンタナ州、オレゴン州、アイダホ州、ワイオミング州がある。

外観や模様により名称が異なるアゲート

アゲートは種類が多く、ほとんどが外観や模様のイメージにより名づけられている。特に珍しいものであれば、その産地の名前がそのままつけられることもある。
レースアゲートlace agateごく繊細な縞目がレースを思わせるところから、こう呼ばれている。南西アフリカでは青と白の細かい縞目のアゲートをレースアゲートと呼んでいる。
ビーズに組んでネックレスに用いられることが多い。
ファイアアゲートfire agateイリデッセンスを示すアゲートのことで、一見オパールに似ている。これはカルセドニーの層の上に、鉄鉱物の板状結晶がぶどう状に成長してできたものである。原石の外観は褐色に包まれているが、外側の層を注意深く研磨すると、イリデッセンス層が現れる。指輪なども作られているが、主に装飾品として使われる。このほかにもいろいろな名称がつけられているものがある。
アイリスアゲートiris agate虹めのうといい、縞目がごく細かく、回折格子の役割をするために、これを通して光を見ると、虹色の効果が現れるところから、こう呼ばれている。
要塞めのうfortification agate縞模様の作られ方が、城や塞の外郭に似ているため。
眼球めのうeye agate同心円や楕円の縞模様をしているものにつけられている。
網状めのうsagenitic agate針状の別種の鉱物が、網の目のように入っている。
この他にフラワーアゲート、ツリーアゲートと名づけられているものなどもあり、このようにいろいろな名称を持つのも、アゲートの特徴の一つといえる。

ジャスパー

石英質の変種で、色彩が豊かな鉱物であるために人気がある。色を成すのは主として鉄分の含有により、赤、黄、緑、褐色などを有する。中には色が入り混じって模様をなしているものもある。研磨しやすいので、彫刻や小さい置物として使われることが多い。

 
 参考文献
(株)講談社「宝石宝飾事典」
 柏書店松原(株)「宝石・貴金属大事典」
 中央宝石研究所パンフレット
 情報・宝石画像提供 ジュエルクライム

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